ARTHUR-AQUAMARINE's MEMO

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◇ 01 社会主義

  • 社会主義思想成立の歴史的背景と、その特質を理解しよう。
  • 空想的社会主義、マルクス主義、社会民主主義の違いを理解しよう。
  • マルクス主義の理論とその展開、挫折した理由について理解しよう。

③ マルクスの思想

マルクス主義
 19世紀の半ば頃、マルクスとその協力者エンゲルスは、ヘーゲルの弁証法やイギリス古典派経済学 ※(1)、空想的社会主義などの影響を受けつつ、新しい社会主義の思想を説いた。人間疎外論唯物史観階級闘争論などを特色とするその思想は、今日一般に、マルクス主義とよばれている。
マルクスの疎外論 ※(2)
(1) 労働の意義
 マルクスは、人間を類的存在、つまり孤立した存在ではなく、他者との社会的関係の中で生きる存在として捉える。そして、人間の本質を労働であると考えた。労働は本来、単に生活手段を得るためだけにするものではなく、自然や環境に働きかけてこれらを作り変え、生産物の中に自己を反映させ、自己の存在を確認する、創造的で喜ばしい活動であった。労働を通じ、類的存在として他者と連帯しながら自己を実現していくところに人間の本質があるとマルクスは考えた。
(2) 労働の疎外
 ところが、資本主義社会においては、原材料・工場・機械など生産手段 ※(3)を私有する資本家(ブルジョワ)と、生産手段をもたない労働者(プロレタリア)が存在する。労働者は、工場などに雇われ、自分の労働力を資本家に売り、賃金を得て生活するしかない。そこでは労働力まで商品となり、労働の成果としての生産物は、労働者ではなく資本家のものとなる。それにより労働から創造の誇りや喜びが失われ、自発的な労働ではなく、非人間的な、強制された労働にならざるを得ない。こうした状況を労働の疎外疎外された労働)とよぶ。
疎外論
 マルクスは、『経済学・哲学草稿』で、労働の疎外を次の4つに分類する。
①生産物からの疎外…
 労働者の生産したものが、労働者の手を離れ、資本家のものとなる。
②自己疎外…
 労働はそれ自身が生きる目的とはならず、単なる生きるための手段となっている。
③類的存在からの疎外…
 人間らしい社会的連帯が失われ、類的存在としての人間の活動が単に個人的生存の手段となっている。
④人間からの疎外…
 労働者が人間本来のあり方を失う一方、資本家は生活の楽しみを享受し、両者の敵対関係が深まる。
(3) 生産手段の共有化
 労働の疎外は、生産手段の私有を認める資本主義の制度に原因がある。そこで、こうした状況から労働者を解放するには、生産手段の私有を廃止し、労働者全体の共有する社会主義社会を建設する以外にない、とマルクスは考えた。
唯物史観と階級闘争
(1) 唯物論
 マルクスは、世界の歴史を弁証法的に変化発展するものと捉えるヘーゲルの思想に強い影響を受けた。しかし、その変化発展の原動力を絶対精神(あるいは世界精神)と考えるヘーゲルの観念論には反対し、世界を動かしているのは精神的なものではなく物質的なものであるとする唯物論 ※(4)の立場をとった。
フォイエルバッハの唯物論
 フォイエルバッハ(ドイツ・1804~72年)は、ヘーゲルの弟子であったが、のちに決別した。フォイエルバッハによれば、哲学が糸口とするべきは神や抽象的な絶対精神ではなく、感覚や肉体を持つ自然的、かつ類的存在としての人間である。神もまた、人間が理想的な自己を外に投影して対象化したものであり、神が人間をつくったのではない。こうした唯物論的な人間学は、マルクスやエンゲルスらに大きな影響を与えた。主著『キリスト教の本質』など。
(2) 生産力
 マルクスによれば、世界の歴史を動かす原動力は、経済的な生産力の発展である。生産力は、労働力と、道具や機械といった労働手段とによって決まり、技能の習熟や技術の発達などによって絶えず増大・発展する傾向をもつ。こうした生産力の発展とともに、それに見合う生産関係が歴史的に形成されてきた。
(3) 生産関係と生産様式
 生産関係とは、領主と農奴、資本家と労働者といった、生産のために結ばれた一定の社会的関係であり、「誰が生産手段を所有するか」という所有関係 ※(5)がその基礎となる。生産力と生産関係をまとめて生産様式といい、歴史的に、原始共同体的・古代奴隷制的・中世封建制的・近代資本主義的といったタイプの生産様式が形成されてきた。
(4) 下部構造と上部構造
 こうした生産様式を経済的な土台(下部構造)として、各時代に固有な政治・社会制度や、学問・宗教などの文化(上部構造)がつくられる。マルクスは、「人間の意識がその存在を規定するのではなく、逆に人間の社会的存在がその意識を規定する」と述べている(『経済学批判』序言)。つまり、人間の物質的・経済的な生活のあり方が土台となって、人間の社会的・政治的・精神的な意識のあり方(イデオロギー)が決まるとマルクスは考えた。
(5) 生産力・生産関係間の矛盾の成立
 しかし、生産力は科学技術の発展などによって絶えず増大していくのに対し、生産関係は、一度社会制度として打ち立てられると、固定化する傾向にある。生産手段の所有者である支配階級(封建社会では領主、資本主義社会では資本家など)が、現状の維持につとめるからである。そのため、ある一定以上の生産力の発展は、固定化された生産関係に抑えつけられ、生産力と生産関係との間に矛盾が生じる
(6) 階級闘争
 この矛盾は、具体的には、生産手段を所有する支配階級と、生産手段を持たず労働の成果を搾取される被支配階級との階級闘争となってあらわれる。その結果、生産力に応じた新たな生産関係の形成をめざす社会革命が起こり、生産関係は新しい形態に移行する。
(7) 唯物史観
 以上のように、マルクスは歴史を常に階級闘争の歴史として捉えた。こうした、物質的な生産力と生産関係とに基礎を置き、それらの間の矛盾を歴史的発展の原動力とみなす歴史の見方を唯物史観史的唯物論)という。
社会主義革命
(1) 資本主義社会の崩壊へ
 マルクスらの唯物史観によれば、人類における社会は、生産力がきわめて低く、階級の分化もまだない原始共同体(共産制)の社会に始まる。その後、生産力の発展とともに階級が分化し、生産手段を独占する支配階級が他の階級を搾取する。資本主義社会は、こうした階級分化と搾取のある社会の最後の形態で、資本家階級ブルジョワジー)は生産手段を独占し、労働者階級プロレタリアート)は搾取され、疎外された惨めな状況に置かれている。
搾取と剰余価値
 搾取とは、普通の意味では乳などを「しぼりとる」こと、または雇い主が労働者などを低賃金で働かせ、不当な利益を得ることを意味する。マルクスの用語では、階級社会において、生産手段の所有者が、生産手段を持たない直接生産者を、その生活の維持のために必要な時間以上に働かせ(これを剰余労働という)、そこから発生した生産物などの成果を無償でわが物とすることをいう。資本主義社会では、労働の対価として支払う賃金の分を超えて、資本家が労働者を働かせ、その超過部分の成果を剰余価値として取得し、これが資本家が得る利潤の源泉となる。
(2) 社会主義社会の実現
 ここにおいて、労働者階級は団結して社会主義革命(プロレタリア革命)をおこし、資本主義社会を打倒するのが歴史の必然的な流れであるとマルクスらは説く。そして、生産手段は労働者全体の共有となり(共産化)、搾取も階級闘争もない社会主義社会 ※(6)が実現し、人間性が回復されるという。『共産党宣言』の中で、「万国の労働者よ、団結せよ」とマルクスらは呼びかけている。
ヘーゲルの弁証法
イギリス古典派経済学
空想的社会主義
マルクス
エンゲルス
人間疎外論
唯物史観(史的唯物論)
階級闘争論 など
・ 資本主義社会 … 労働力の商品化 → 労働の疎外
・ 唯物史観 … 物質的生産力生産関係を歴史発展の基礎に置く
・ 生産力の発展 → 固定化された生産関係との矛盾
  → 階級闘争 → 社会革命
・ 資本主義 → 労働者階級による社会主義革命
  → 社会主義の実現・人間性回復
注釈
(1) イギリス古典派経済学
マルクスは、アダム=スミスやリカードらの古典派経済学から、「商品の価値は、その商品を生産するために必要な労働量(労働時間)によって決定される」という労働価値説を受け継ぎ、ここから剰余価値説や搾取に関する理論を打ち立てた。
マルクス
- Karl Heinrich Marx [1818~1883]
 ドイツの経済学者・哲学者・革命家。エンゲルスと共に、科学的社会主義を創始した。
 ユダヤ人弁護士の子として生まれ、ボン大学とベルリン大学で法学や哲学を学び、特にヘーゲル哲学の影響を受けた。卒業後、ケルンの「ライン新聞」の主筆となったが、当時の政治や経済問題について鋭い批判を繰り返したため、政府の弾圧を受け、新聞は発禁処分となった。1843年パリに移り、ここで哲学や経済学などの研究を深め、独自の社会主義思想に到達した。また、エンゲルスと終生の盟友関係に入ったのもこの地である。やがてパリも追われ、ブリュッセル・ロンドンと苦しい亡命生活をおくったが、エンゲルスの援助を受けつつ、旺盛な研究・執筆活動とともに、国際的な労働運動・革命運動 ※(1)を指導していった。著書『経済学・哲学草稿』『ドイツ-イデオロギー』『共産党宣言』『経済学批判』『資本論』 ※(2)など。
エンゲルス
- Friedrich Engels [1820~1895]
 ドイツの実業家・思想家・革命家。マルクスと同じライン州の実業家の子で、高校を中退し商事会社に勤めたが、ヘーゲル哲学を学ぶとともに労働運動・社会主義運動に接し、社会主義者としての立場を固めた。1844年パリのマルクスのもとを訪れ、意見の一致をみて、その後『ドイツ-イデオロギー』や『共産党宣言』を共同で執筆 ※(3)した。社会主義のすぐれた理論家・運動家でもあるとともに有能なビジネスマンでもあり、物心両面にわたりマルクスを支えた。
(1) 労働運動・革命運動
1864年、ロンドンで国際労働者協会第1インターナショナル)が創設され、マルクスはその創立宣言や規約を作成、総評議会メンバーとして活動した。また、1871年のパリ-コミューン成立に際して、支援活動を行った。
(2) 資本論
マルクスの経済学上の主著である『資本論』は、第1巻のみマルクス生前の1867年に刊行され、第2巻・第3巻は彼の死後、遺稿をエンゲルスが整理して刊行された。
(3) エンゲルスの著書
エンゲルスの単独の著作としては、『イギリスにおける労働者階級の状態』『空想から科学へ』『家族、私有財産及び国家の起源』などが有名。
(2) 疎外(Entfremdung)
もとはヘーゲル哲学の用語。その基本的な状態である自己疎外は、人間が自己の内にある本質をその活動によって外に出し、それが自己によって疎遠な他者としてあらわれ出ることをいう。
(3) 生産手段
ものを生産するのに必要な労働対象(原材料)と、労働手段(道具・土地・工場・機械など)を合わせて生産手段という。
(4) 唯物論
マルクスは、フォイエルバッハの唯物論の影響を受けた。
(5) 所有関係
たとえば、中世封建制では、領主が土地などの生産手段を所有し、それを持たない農奴を使って生産を行った。
(6) 社会主義社会
厳密にいえば、マルクス主義思想で最終的に実現されうるべき人類史の最後の段階の社会を、共産主義社会という。そこでは、階級は消滅し、生産力は高度に発達して、人々は「能力に応じて働き、必要に応じて分配を受ける」ことができる。その理想へ向かう過渡的な段階が社会主義社会であり、人々は「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」ことになる。
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