ARTHUR-AQUAMARINE's MEMO

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◇ 03 プラグマティズム

  • プラグマティズム成立の要因と、その基本的な特質を理解しよう。
  • ジェームズが真理や宗教についてどう捉えていたかを理解しよう。
  • デューイの道具主義とその観点からの道徳論や教育論を理解しよう。

③ デューイの思想

デューイ
 プラグマティズムの大成者とされるのがデューイである。
道具主義
(1) 環境をつくり変えるための道具
 デューイはダーウィンの進化論から影響を受け、生物一般がそうであるように、人間を環境に適応しながら生きる存在と捉えた。生物の適応行動は単に受動的なものではなく、ある程度能動的に環境に働きかけ、環境を変える。特に人間の場合は道具を使い、他の生物よりも積極的に環境をつくり変える。
(2) 道具主義
 デューイによれば、知識や概念、理論、思想体系などもまた、このような意味での「道具」である。それらは、人間が現実の生活の中で直面する、さまざまな矛盾や困難を克服する手段として役に立たなければならない。これを道具主義という。
道具主義
 概念、理論、体系というのは、いかに精巧で首尾一貫していても、仮説と見なければならぬ……。これらのものは、それらをテストする行動の基礎として理解すべきであって、究極的なものとして理解すべきではない。……概念、理論、思想体系は、道具である。すべての道具と同じように、その価値は、それ自身のうちにあるのではなく、その使用の結果に現れる作業能力のうちにある。
『哲学の改造』(訳:清水幾太郎 清水禮子 岩波文庫)
(3) 仮説と検証
 道具主義の立場では、知識や理論がどんなに学問的に緻密に構成されていても、それらは仮説であり、絶対・究極の真理として受け入れるべきものではない。それらは実際に使用され、その結果によって絶えず検証されなければならない。道具である以上、知識や理論などの価値はそれらを使用した結果の有用性にある。その知識や理論などが道具として役に立てば「真」である。役に立たなければ「偽」であり、その知識や理論などは修正を迫られるが、それは発展の可能性でもある。
創造的知性(実験的知性)
(1) 人間の衝動
 デューイによれば、人間はふつう既成の習慣のもと環境と安定した関係を保って生活しているが、さまざまな困難や障害に直面し、その関係が崩れると、安定した状況を回復したいという衝動があらわれる。その衝動は、知性の働きを促進する。
(2) 創造的知性
 知性は、過去を振り返りつつ未来を展望し、問題となっている状況を見据えて予測を立てながら行動し、問題解決を図る。それとともに、過去の習慣を修正して新しい習慣をつくり出す。このとき道具として人間が働かせる知性を創造的知性という。
(3) 実験的知性
 人間が創造的知性を働かせるとき、ある程度先を見通しながらさまざまな方法を試みて試行錯誤を繰り返し、得られた結果を検証しながら問題解決へと迫っていく。これが知性による探究であり、一般に、〔問題設定〕→〔仮説の設定〕→〔結果についての推論〕→〔結果による仮説の検証〕という実験的プロセスをたどる。そのため創造的知性は実験的知性ともよばれる。
(4) 人間性の形成
 新しい習慣のもとで再び問題が生じれば、創造的知性が働き出す。このように、「習慣→衝動→知性→新しい習慣」の繰り返しの中で、人間性が形成され、人間は成長していく。
道徳の問題 - 価値多元論
(1) 価値多元論
 それまでの倫理学では、単一で不変の、最終的な目的や善 ※(1)などが存在するとして、その発見に努めていた。しかし、デューイの道具主義の立場に立てば、唯一不変の絶対的価値というものはない。人により、具体的な状況により、どのような価値が正しい行為を導くことができるか、すなわち何が善であるかは当然異なる。このような考えから、デューイは価値多元論を説いている。
(2) 善の追求
 デューイの価値多元論に立てば、善は一般的な形で追求することはできず、個別的・具体的な状況の中で求められねばならない。また、健康・富・正義などといった個々の善は、独立して存在するものではない ※(2)
(3) 成長・進歩の過程の重視
 また、デューイは、静的な結果や成果ではなく、成長や進歩の過程が重要であると説く。たとえば幸福は最も重要な人生の目的ともいえるが、それは静的で固定化された一定の状態を意味するのではない。幸福は成功のうちにのみあり、成功とは障害を克服しつつ成長・進歩し続ける能動的な過程である。
道徳について
 道徳的な善や目的というものは、何かを行わなければならない場合にのみ存在する。何かを行わなければならないという事実は、現在の状況に欠陥や弊害があることの証拠である。そういう悪は、現にある特定の悪である。……従って、この状況における善は、当の強制すべき欠点や困難を基礎として、発見され、計画され、獲得されるべきものである。
『哲学の改造』(訳:清水幾太郎 清水禮子 岩波文庫)
民主主義の教育
(1) デューイの政治論
 デューイは、道具としての創造的知性の働きによって、社会や人間性の改良を進め、理想的な民主主義の実現を目指すべきであると考えた ※(3)
(2) デューイの教育論
 民主主義社会の成員は、個人として自発性や適応性をもつように教育されることが求められる。そのため、ただ知識の暗記や試験に終始する受動的学習から脱却し、「為すことによって学ぶ」(Learning by Doing)ことをデューイは重視した。
(3) 問題解決学習の提唱
 デューイは能動的学習の理論として、問題解決学習を提唱する。問題解決学習では、生徒が自らの生活や興味から問題を発見し、教師が適切な助言を与えながらも、自ら解決する能力を身につけさせる。問題設定→仮説→推論→検証という問題解決のプロセスは、ここでも生かされている。
デューイ
道具主義知識・概念・理論などはすべて道具
||
 仮説(使用→結果→検証のプロセス)
創造的知性 … 問題解決のための道具として働く知性
= 実験的知性(問題設定→仮説→推論→検証のプロセス)
価値多元論(道徳理論)
民主主義の実現(政治論)
問題解決学習の提唱(教育論)
注釈
デューイ
- John Dewey [1859~1952]
 アメリカの哲学者・教育学者。バーモント大学卒業後、2年間中学教師をつとめたが、哲学の道を進む決意をしてジョンズ=ホプキンズ大学で博士号を取得。1889年以降、ミシガン大学・シカゴ大学・コロンビア大学の教授を歴任した。はじめヘーゲルの思想の影響を強く受けたが、ジェームズらとの交流を通じプラグマティズムに導かれ、その中心的指導者となった。また、教育改革に情熱を傾け、シカゴ大学時代には実験学校を大学内に設置。その活動は心理学や市民的自由のための人権擁護などにも及んだ。主著『学校と社会』『民主主義と教育』『哲学の改造』『人間性と行為』など。
(1) 最終的な目的や善
たとえば、神の意志や支配者の意志などの権威的法則、自己実現や幸福、快楽の最大量といった善がそれであるとされ、論争が行われてきた。
(2) 個々の善は独立しない
たとえば、ある人にとって健康がもつ意味は、他の人にとっても同じではない。また、その人の生活全体を離れた健康もあり得ない。それを忘れて健康だけを独立した善として追求すれば、そのために命を縮めるといった本末転倒なことも起こりかねない。
(3) 民主主義
デューイにとって民主主義は、単なる統治の形態ではない。それは、人々が自由に交流して互いの経験を共有し、成員の平等な参加や協力により問題を解決し、新しい状況にも柔軟に適応していけるような、集団生活の一様式であった。
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