ARTHUR-AQUAMARINE's MEMO

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◇ 05 情報と倫理

  • 高度情報化社会において、情報リテラシーを身につけることの重要性を理解しよう。
  • 社会の変化の中でのニュー・メディアの対応について考察しよう。
  • 「知る権利」をめぐる法や制度をおさえよう。

① 現代家族の問題

疑似現実論
(1) 疑似環境
 リップマン ※(1)は、人々が直接体験する一時的な環境ではなく、メディアを通して見る二次的な環境の中でステレオタイプ感情的な評価を伴う固定化されたイメージ ※(2)がつくられやすい危険性を指摘し、マス・メディアが提供する、選択され加工された情報によってつくられた世界を疑似環境とよんだ。
(2) 疑似イベント
 ブーアスティン ※(3)は、メディアが提供する「本当らしい」できごと疑似イベントとよび、実像と虚像の違いを曖昧にしてしまうことを問題視した。人々は、TVなどのメディアに、事実に即した正確さよりも、物語的な面白さや「本当らしさ」を求めるようになってきていると同時に、現実をTV的な視点でしか見ることが出来なくなってきているという指摘である ※(4)
(3) 仮想現実
 インターネットが普及し、仮想現実バーチャル・リアリティ)が大きな力を持つようになった現代では、空想的な自我の万能感にひたり、他人の気持ちがわからない自己中心的な歪んだ自己が形成され、現実の世界や人間関係から逃避する人が増えてくる危険性を指摘する声もあがっている。
インタラクティブ・コミュニケーション
 インターネットの発達は、大量の情報をマス・メディアが一方的に流すという従来の限界を突破し、不特定多数の人が相互に通信を交わす双方向性(インタラクティブ)のコミュニケーションを可能にした。
情報リテラシー
 このような情報社会を生きていくためには、情報リテラシー必要な情報を取捨・選択し、使いこなす能力)の獲得が不可欠である。それは、単に高度な情報機器を使いこなす能力を指すのではなく、情報の根拠を問い、その背後の社会的な文脈を読み取る能力を意味する。また、アクセス権市民が情報やマス・メディアに接近する権利 ※(5)が主張され、パブリック・アクセス ※(6)市民が地域社会の問題や自分の主張について、広く人々に訴えていくためにメディアを活用すること)の動きも拡がっている。
ニュー・メディアと社会的身体
(1) 感覚的なイメージの世界へ
 マクルーハン ※(7)は、あらゆるメディアは人間の身体的な感覚を拡張してきたと主張した。グーテンベルグによる活版印刷の発明は、活字メディアを普及させ、私たちの身体は抽象的・普遍的な思考と想像力の世界で生活するようになった ※(8)。ところが、20世紀に登場したラジオ・TV・映画などのメディアは、再び目で見て耳で聞く感覚的なイメージの世界へと私たちの身体を投げ込み、抽象的・普遍的とは対照的な具体的・個別的な世界へと逆戻りさせた。マクルーハンは、読書によって内面を確立した自律的個人が公共空間で議論をするというシティ(都市)ではなく、感覚的なイメージの共有で成り立つヴィレッジ(村)や無文字社会が到来すると予測した。
(2) メディア・リテラシー
 PC(パーソナル・コンピュータ)やインターネットを利用できる携帯電話は、人間の記憶力や情報伝達・収集能力の限界を補う能力を持っている。会社は、PCや携帯を利用することを前提に回り始め、私たちはそれらのニュー・メディアを苦にせず扱うことができる身体であることが期待され、メディア・リテラシーの能力が求められるようになった ※(9)
(3) ユビキタス社会
 私たちは、もはやこれらの能力を手放すことはできず、デジタル・デバイド ※(10)などの問題が指摘されたとしても、以前の状態に戻ることは困難である。そこで、いつでもどこでも、利用者が意識することなく、コンピュータやネットワークなどを利用できるユビキタス社会 ※(11)が夢想されることになる。私たちの身体や能力は、常に新たなメディアのもたらす環境の中で再形成されていく。
共同体の縮小とコミュニケーションの変化
 TVに代表されるマス・メディアは、高度成長期までは、お茶の間や井戸端や教室という「場」に、共通前提となる話題を提供してきた ※(12)。ところが、そういった「場」の消滅により、それまでマス・メディアに求められていた機能自体が不必要になった。現在では、各人がそれぞれの個室で、インターネットや多チャンネル化したTVを用い、より個別化した情報を楽しむようになっている。人々はそれぞれ自分にふさわしい夢を抱き、多様な幸福を実現しようとしていくことになるだろう ※(13)
知る権利
 情報を扱う上で、ネット・エチケット ※(14)知的財産権 ※(15)「知る権利」は守られなければならない。また、正しい情報公開が行われなければならない。
 情報公開条例
(1980年代~)
地方自治体が制定。
 プライバシーの権利 三島由紀夫の『宴のあと』裁判の東京地裁判決(1964年)において、「私生活をみだりに公開されない権利」として法的に認められたが、近年は、より積極的に「自分に関する情報をコントロールする権利」 ※(16)という意味で用いられている。
 情報公開法
(1999年制定 2001年施行)
国が保有する情報の公開手続きを定める。法人や外国人も開示請求できるが、防衛など一部資料の開示は制限されている。
 個人情報保護法
(2003年成立 2005年施行)
5000件以上の個人情報を保持している事業者が、情報を漏えいした場合は、刑事罰が課せられる。
経済活動と倫理 - 企業の社会的責任 -
 企業は、企業活動により利潤を得て、自らを維持拡大するだけでなく、安全な製品や顧客の満足を得るサービスを提供するという社会的責任(CSR corporate social responsibility)を果たす必要がある。特に次の3つが重要である。
法令遵守(コンプライアンス)
② 正確な情報開示と説明責任(アカウンタビリティー)
③ 社会貢献活動(寄付活動であるフィランソロピーや芸術・文化活動への支援であるメセナなど)
 法令違反などの不正は、企業や官庁などの組織内の人間による内部告発によって、明らかになることも多い。告発者に対する組織からの報復を防ぐために、公益通報者保護法(2004年)が成立している。
リップマン疑似環境の中でステレオタイプに陥る危険性を指摘
マクルーハン … メディア空間と身体・能力の関係を分析
注釈
(1) リップマン(1889~1974)
アメリカのジャーナリスト。新聞が世論操作に対して果たす決定的な役割を論じた。
(2) ステレオ・タイプ
たとえば、ユダヤ人狩りは、ナチス・ドイツがユダヤ人に対する悪意のあるステレオタイプをつくりだし、当時のマス・メディアがその流布に力を貸したために起こった。
(3) ブーアスティン(1914~2004)
アメリカの文明史家。主著『幻影の時代』。
(4) 現実をTV的な視点でしか見れない
例えば、2001年の9.11テロ事件では、旅客機がビルに激突する映像と共に、「これは単なるテロではなく、戦争だ」というメッセージが流され、この事件に対して人々が抱くイメージが形成された。
(5) アクセス権
インターネットの「掲示板」や「裏サイト」、「口コミ情報」は、匿名という消極的な形での市民の情報へのアクセスであると評価できる。
(6) パブリック・アクセス
特にアメリカでは、1960年代の公民権運動の中で、報道に対する反論や投書・意見広告の掲載の請求がなされた成果を背景に、市民による番組制作などが行われている。
(7) マクルーハン(1911~1980)
カナダからイギリスに渡って活躍したメディア学者。主著『グーテンベルグの銀河系』。
(8) 活字メディア
活字メディアは、①口頭による伝承が文書による保存に姿を変え、②誰かが語り、皆で耳を傾ける物語を、ひとりで黙読する小説に変えた。
(9) メディア・リテラシー
この場合のメディア・リテラシーは、情報機器の取り扱い能力のこと。現代の一般企業では、かつての読み書きそろばんに代わって、WordやExcelの操作、電子メールや携帯電話の活用などが必須条件になりつつある。
(10) デジタル・デバイド
年齢・収入・性別・地域・能力などの違いによる情報格差のこと。この格差が就職の機会や収入の格差をさらに拡大することになる。
(11) ユビキタス社会
ユビキタス(ubiquitous)は、「同時にどこにでも存在する」ことを意味する英語に由来。コンピュータの日常生活への応用が進み、例えば商品を持ってコンビニを出れば、金額が自動的に口座から引き落とされるような社会を指す。つまり、情報格差を解消するほど技術が進んだ社会である。
(12) マス・メディアによる話題の提供
それは、家族揃ったお茶の間でクイズ番組を楽しんだり、会社帰りに部下が焼き鳥屋で上司が語る野球中継のウンチク話に耳を傾けたり、同世代の仲間が集う教室で歌謡番組のアイドルの噂話をするといったものであった。
(13) 自分に相応しい夢・幸福の実現
社会学者の宮台真司(1959~)は、この状況を「島宇宙化」と名付けた。宮台の主著は『終わりなき日常を生きろ』『サブカルチャー神話解体』『日本の難点』。
(14) ネット・エチケット
お互いの顔が見えない電子メールの中でも、人権侵害がないように留意し、誤解を生むような表現がないようにするなど。
(15) 知的財産権
発明や著作などの知的形成物に関する権利。著作物に関する著作権と、特許や商標などに関する工業所有権に大別される。これらの保護を名目に、東京高等裁判所の特別支部として、知的財産高等裁判所が設置された(2005年)。
(16) 自己情報をコントロールする権利
住民基本台帳ネットワークは、2002年にスタートしたが、プライバシーの侵害につながるとして参加していない自治体もある。
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