ARTHUR-AQUAMARINE's MEMO

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◇ 06 経験論の展開

  • ベーコンからヒュームに至る、経験論哲学の流れを理解しよう。
  • ベーコンの提唱した帰納法の意義と限界について理解しよう。
  • ロックの認識論、ヒュームの懐疑論について理解しよう。

② ベーコン - 帰納法

自然を支配する「機械技術」の肯定
 ベーコンの『新大陸(=ニュー・アトランティス)』は、科学と技術が人間社会に有効に利用される理想郷物語である。彼はその中で、ルネサンス期の火薬・羅針盤・印刷術の発明を賞賛した。生産活動との結びつきにより様々な工業製品を生み出すことが出来る「機械技術」に対し、積極的にその価値を肯定する一方で、「自由学芸(リベラル・アーツ)」が何の役にも立たないと批判している。
 彼は、学問の目的は自然に対する人間の支配力を増大させることにあると述べている。人間は「自然を拷問にかけながら」その法則性を知り、それを征服・支配することで生活を改善し、人類の王国を実現できると考えたのである。
「知は力なり」=自然への服従
 ところが、「知は力なり」という言葉で有名な『ノブム・オルガヌム(=新機関)』の有名な一節では、「自然は服従する事によって支配することができる」とも述べている。ここには、自然についての正しい知識を獲得し、その仕組みを理解することで、自然を利用することができるという、自然に対する謙虚な態度が見られる。
知は力なり
 人間の知識と力とは合一する。原因が知られなければ、結果は生ぜられないからである。というのは、「自然は服従することによってでなければ、征服されない」のであって、自然の考察において原因と認められるものが、作業においては規則の役目をするからである。
『ノヴム・オルガヌム』(訳:桂寿一 岩波書店)
スコラ哲学批判
 ベーコンは、主著『ノブム・オルガヌム(=新機関)』において、それまでのスコラ哲学で重視されていた、アリストテレスの『オルガノン』 ※(1)に示された学問研究方法を批判し、それに対抗する新しい学問方法論を探っていった。
イドラの除去
 ベーコンは、プラトンやアリストテレスなどの古代の哲学者や同時代の錬金術師を引き合いに出して、これらの学者に共通する誤りとして先入観や偏見に囚われていることを指摘し、それをイドラ(idola) ※(2)と呼んだ。そして、物事を正しく認識するために、第一になすべきことは、このイドラの除去であるとした。
 彼は、4つのイドラを指摘している。
種族のイドラ
人間という種族に共通する不完全な本性から生まれる偏見。人間の不完全な感覚や精神を通して歪められた事物の姿を、事物の本性と取り違える誤り。錯覚や、物事を単純化し、世界を擬人的に捉えようとする傾向などがあげられる。
洞窟のイドラ
個人の性格・好み・環境・体験・教育・読書などに由来する、狭い個人の立場にとらわれることによって生まれる偏見。
市場のイドラ
人間の交際のなかで、不適切に使われた言語から生まれた偏見。多くの人が集まる市場で飛び交っている他人の言葉や噂を、確かめもしないで信じることに例えた。
劇場のイドラ
伝統や権威を鵜呑みにし、誤った学説や迷信を信じてしまう偏見。劇場 ※(3)で演じられる芝居や手品を信じてしまったり、学者や専門家の意見などを確かめもせずに無批判に信じてしまうことに例えたもの。
帰納法
 ベーコンは、『ノブム・オルガヌム(新機関)』で、アリストテレスの三段論法 ※(4)を否定し、新しい学問の方法論として、帰納法(inductive method [induction])を提案した。これは、事件や観察によって集められた個々の経験的事実から、それらに共通する普遍的・一般的な法則を論理的な推理により求める方法である。
 彼は、「くも」が自分の糸だけで世界をつくる例を引き合いに出し、合理論を自分の頭だけで考える独断論であると批判した。しかしながら、帰納法は「あり」のようにただ単にデータを集めるだけで終わる単純枚挙の方法とは違うとして、帰納法を集めた花の蜜を自分の力で消化し蜂蜜に加工する「蜂」のあり方に例えて説明した。
注釈
フランシス=ベーコン
- Francis Bacon [1561~1626]
 ロンドンの名門貴族の家に生まれる。12歳でケンブリッジ大学に入学し、父と同じ政治の道に入る。国会議員を経て大法官まで出世したが、収賄の罪に問われ、ロンドン塔に幽閉された。晩年は政界に戻らずに、スコラ哲学に替わる学問の研究・著述に専念した。鶏のお腹に雪を詰めて腐敗防止効果があるかどうかの実験をしていて、肺炎になり死んだ。主著『ノブル・オルガヌム(=新機関)』『ニュー・アトランティス(=新大陸)』。
(1) オルガノン(Organum)
アリストテレスにより執筆された論理学に関する著作群。ギリシア語の「オルガノン」は、動くもの・道具・機械を意味した。ここから、学問・研究の方法・手段も「オルガノン」と呼ばれるようになった。ベーコンの『ノブル・オルガヌム(Novum Organum)』は「新しい研究方法」という意味である。
(2) イドラ
イドラは、もともとは偶像・幻影を意味するラテン語。英語のidolもここから派生した意味である。
(3) 劇場
当時のロンドンで大流行だったシェークスピアの見世物小屋をイメージしている。人々の中には、劇中の登場人物の台詞を鵜呑みにするものもいた。
(4) 三段論法
大前提・小前提・結論からなる命題で、前提が真ならば、必ず結論も真となるとされた。

《例》
大前提:
全ての人間は死すべきものである。
小前提:
ソクラテスは人間である。
結論:
ゆえにソクラテスは死すべきものである。

ベーコンはこのような三段論法の大前提自体が意味のない思弁にすぎず、そこに依存している限りは新たな真理を見いだすことは出来ないとした。
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